君待ち人
水彩で描いたみたいな真っ青な空を、へんてこな形をした雲がふわりふわり泳いでいく。
あ、羊の形。あっちには、うさぎ。あれは、緋衣ちゃんの好きなメロンパンかな。
青空に映える白い雲で、遊んでみる。何の形か思い浮かばない雲も多かった。
こんなに気持ちいいと、眠くなっちゃうな。
私は大きな欠伸を一つして、うとうとしながら膝に顔を埋めた。
ちょっとだけ。
ちょっとだけなら、いいよね。
昼休みの時間をお昼寝に利用した。
閉じた瞼の裏には、夢への世界の入口があった。
私は躊躇なく、その世界への入口をくぐる。
刹那、世界は真っ暗になって、思わず狼狽える。
すると、奥の遠い遠い場所から、キラキラと白く輝くものが見えた。
その光に導かれるように、ゆっくりゆっくり進んでいく。
どこか懐かしい。
あのキラキラを、私は、知っている……?
宝箱の底で眠っていたような、そんな夢の中にいるような感覚を確かに感じた。
私はその夢に縋りつき、鮮明に輝く方へと足を踏み入れた。