君待ち人






放課後になった。



私は深呼吸をして、生徒会室に入った。


ドキドキで忙しない心臓を落ち着かせようとしても、どうも緊張してしまう。




「し、しつれいします!!」




生徒会室での開口一番の声音は、いつもより高く裏返り、うるさくなってしまった。



初めて訪れた生徒会室は意外と広くて、清潔感ある部屋だった。



「ごめんなさいね、急に」



生徒会室にある二つの赤いソファー。会長はそのうちの一つの端に座っていた。




「い、いえ!」



私は頭を振ってから、会長の近くに寄る。


会長は「どうぞ、座って」と、会長が座ってる向かい側のもう一つのソファーを手で示した。



清楚で、気品があって、お上品な人。


会長のイメージは、初めて見た時から変わらない。




「この資料を日にち別に分ける作業なんだけど、一人じゃ大変で。三吉さんが手伝ってくれて助かったわ」




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