君待ち人






そして今日から、学校が再開する。


クラスメイトの半分は、夏休み前より肌が焼けていた。




昼休みになり、教室が賑やかになる。

売店から戻ってきた緋衣ちゃんと、久しぶりの昼食だ。




「約一ヶ月ぶりのメロンパンだーっ!」



「夏休みの間、メロンパン食べなかったの?」



「食べたけどー、やっぱり売店のとは違うじゃん?」




緋衣ちゃんの昼食は、やっぱりメロンパン。


いちごメロンパンやココアメロンパンではなく、普通のノーマルなメロンパンだ。




緋衣ちゃんはメロンパンを、とても美味しそうに頬張った。





「桜のお弁当も、やっぱり豪華」


「そう?」



私のお弁当は……やっぱり普通だと思うけどなぁ。


お弁当の中身は、いつもより甘さ控えめの卵焼き、大好きなミートボール、コロッケ、きんぴらごぼう。

デザートには、ウサギ型に切ったりんご。




「夏休み、あっという間だったな~」



緋衣ちゃんの肩が、あからさまに落ちた。



< 162 / 278 >

この作品をシェア

pagetop