君待ち人





「ねぇ、桜」


「なに?」



「……彼氏にあげるプレゼントって、例えばどんなのがいいと思う?」



メロンパンを食べ終えた緋衣ちゃんは、たどたどしく尋ねた。


私は「え?」と思わず聞き返してしまう。



そ、それって……。




「彼氏さんに、何かあげるの?」


「え、えっと……う、うん。もうちょっとで誕生日だからさ」




緋衣ちゃんはもじもじとしながら、顔を赤らめていく。



緋衣ちゃんの彼氏さん、幸せ者だなぁ。

こんなに緋衣ちゃんに愛されてるんだもん。


……いいな。好きな人と両思いで、なおかつそばにいられることが、羨ましい。




「んー、なんだろうね」



「なになに?何の話してんの?」



「白河くん!」




急に会話に参加した白河くんに吃驚したのは私だけで、緋衣ちゃんは「また出た」とジト目と睨んでいた。


あっ。

白河くんの登場がきっかけで、いいアイデアがひらめいた!



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