君待ち人
瞼を伏せて、深呼吸をする。
私の心にいる人。
私が今、本当に好きな人。
それは―――。
『こんにちは、桜ちゃん』
私は、目を見開いた。
え……そんな、まさか……。
「気づいたんだな」
「え、でも、私は……っ」
初めて気づいた想いの変化に、混乱を隠せなかった。
私はずっとしーくんのことが好きで。
私だって、今も昔も変わらない気持ちを抱いている。
だけど、知らないうちに、変わっていたなんて。
「お前が今好きな奴は、俺じゃないんだろ?」