君待ち人
公園
「おっはよー、桜」
「緋衣ちゃん、おはよう」
「今日早いね。どうしたの?」
「なんか目が覚めちゃってさ」
翌朝、私はいつもより三十分も早く登校していた。
昨日、いろんなことがありすぎて、よく寝れなかったんだ。今もなお頭が混乱している。
凪雲先輩は会長と一緒にどこに行ったの?
この疑問の答えは、凪雲先輩と会長にしかわからない。
あれっきり帰ってこなかったし、そんなに大事な急用だったのかな?
それに……。
「緋衣ちゃん」
「なに?」
「私ね、初恋の男の子と、会ったよ」
「えええええ!?」
緋衣ちゃんが目をまん丸くして、これでもかってくらい驚愕した。
……だよね、驚くよね。
信じてはいたけど、まさか昨日、あんなタイミングで再会するとは想像もしていなかった。
しかも、初恋の男の子であるしーくんが、白河くんだったなんて。