君待ち人




彼の待ち人の存在や約束を、知りたいという気持ちだけで知ろうとするわけじゃない。




守りたい。

救いたい。

力になりたい。



そばにいたい。


大好き。




独りよがりでも、単純で複雑な想い。

それらが集まった小さな勇気を握りしめて、私は知ろうとするんだ。





私は、彼を支えたいと望んでいる。


だけど……彼は?



彼は私なんかの力なんていらないんじゃないのかな。





ネガティブな思考が、ぐるぐる、ぐるぐる、脳内を回る。



どうしよう。

怖いよ。


私は思わず、自分のことを抱きしめた。



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