君待ち人
「三吉さんの待ち人、来たんですってね」
会長が頼んだオレンジジュースを持ってくると、唐突に話を振られた。
「は、はい。でも、なんで知って……?」
「凪雲くんから聞いたの」
凪雲先輩、会長にそんなことまで話してるんだ。
二人の親しさに、胸がチクッと痛む。
二人の関係なんて、前々から知ってたじゃん。今さら嫉妬して……バカみたい。
「よかったわね」
「……はい」
「あんまり嬉しそうじゃないのね。どうして?」
「え?」
嬉しそうじゃない?私が?
私、今、どんな表情してたんだろう。
「嬉しいですよ。でも……」
再会できて、すごく嬉しかった。
でも。
嬉しいだけじゃなかった。
「でも、何?私がした、あの忠告に関わること?」