君待ち人
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俺が高校二年生だった頃。
寒い冬の日の放課後。
家が近所の空と海と並んで、帰路をたどっていた。
『凪雲くんが副会長か~』
生徒会選挙が終わり、俺は見事副会長になった。
そのことを自分のことのように喜んでいるのは、幼馴染の遊理 海【ユウリ ウミ】だ。
『しかも、会長は空でしょ?すごいっ!』
海は、双子の姉である空を誇らしげに見ていた。
空と海は、外見は瓜二つだが、中身は全然違う。
どちらかというとおとなしめで上品な空と相反して、海はマイペースというか、直球というか。
いつも笑顔でいる、明るい奴というイメージが強い。
『幼馴染として鼻が高いよ』
『海も女子副会長とか会計とかに立候補すればよかったのに』