君待ち人
私はあなたの力になれたってこと?
私は泣きそうになって、顔を手で隠した。
嬉しくて、嬉しくて、独りよがりじゃなかったことが嬉しくて。
ひと粒の涙を滑らせた。
「私の方こそ、“ありがとう”ですよ」
凪雲先輩がここにいてもいいって許してくれたから、私はあなたを守れたんです。
あなたの近くにいられて、本当に幸せなんです。
あなたが、私に幸せをくれたんです。
「桜ちゃんのおかげで、俺は変われた」
一歩踏み出したのは、間違いじゃなかった。
今、こんなにも、距離が近い。
「少しずつ、前を進められるようになったんだ」