君待ち人
「いつか自分自身が罪を許せる日が来たら……」
一度口をつぐみ、ひだまりにも負けない優しい微笑みをこぼした。
バカみたいな自惚れが高まってくる。
無意識にスカートをギュッと掴んでいた。
「その日が来たらまたこの公園を訪れるから、その日が来るまで待っててほしい」
それは、私と彼が初めて交わす約束だった。
その約束は、私達の“終わり”であり、“始まり”だった。
瞬間、涙が頬に咲いた。
「待ってます」
涙のせいで、声がか細くなって、かすれる。
だけど、声が出るのなら、なんだっていい。
「ずっと、凪雲先輩のこと、待ってます……っ!」
涙が顔をびしょびしょに濡らす。これじゃあ、格好つかない。
新しく結んだ約束は、私の恋を抱きしめて離さない。
「俺がまたここに来たら、その時に桜ちゃんの気持ちを聞かせてくれないか?」
返事なんて、決まってる。
「はい!」
大きく頷いて、泣きながら笑った。
ずっとずっと、あなたのことだけを待ってます。