君待ち人
君を待った時間も、君と過ごした時間も、君が一笑する瞬間も、記憶にも心にも刻み込まれていく。
両手いっぱいに抱えた軌跡を、一つずつ数えながら。
――今、再び、大好きな君と約束を交わした。
その約束は、永遠の誓い。
「凪雲先輩、大好きです」
下手くそでも心からの笑みが、自然と漏れる。
枯れることのない涙を止める術を知らないまま……ううん、知らなくていい。どれだけ流してもこみ上げてくる涙と同じくらい、溢れ続ける君への気持ちが、丸ごと全部伝わればいいのに。
どう届けたら、もっとうまく表現できるのだろうか。
小さな花びらがくるくる宙を泳ぎながら、私の髪を飾る。
差し出された手に、私はゆっくりと自分の手を重ねた。
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