君待ち人
晴れのち雨
次の日。
天気予報は、外れた。
土砂降りのはずだった今日の空模様は、晴れ。
青い空に、白い雲がふわふわ浮かんでいる。
昨日心の中で必死に願ったおかげかもしれない。
「さっきから、なんでノート持ってニヤニヤしてんの?」
昼休みの教室。
緋衣ちゃんが、いちごメロンパンを大きく一口食べながら言った。どうやら、いちごメロンパンが気に入ったらしい。
私はハッとして、持っていた一冊のノートを机の中に隠す。
「な、なんでもないよ?」
「うっそだー!さっきからずっとニヤニヤしてたもん」
はぐらかしても緋衣ちゃんには通用せず、身を乗り出して聞いてきた。
私は目を泳がせながら「なんでもない」とさっきと同じ返答をする。
机の中に隠したノートは、実は凪雲先輩の物。
昨日天気予報の話をした後、もうすぐ行われる定期テストの話になった。