君待ち人




突然さらっとされた告白に、大きな声を出しそうになった。


え。え……!?



今の、聞き間違いじゃなければ……彼氏ができたって言ったよね?


今口にしている物を吹き出しそうになり、慌てて口元を片手で抑える。




「か、彼氏って……誰?」



今度は私が身を乗り出して、恐る恐る問いかける。




「近所に住む、三つ年上の大学生」





最初は平然としていた緋衣ちゃんだけど、だんだんと耳が赤くなっていくのがわかった。


可愛いなぁ、緋衣ちゃん。




「緋衣ちゃんが告白したの?」


「うん。ずっと、好きだったから」




緋衣ちゃんはいちごメロンパンを食べようとしていた口を閉じ、一瞬私の目を見たが、すぐ逸らされてしまった。


反応が可愛すぎて、抱きしめたくなる。




「そしたら?」


「……そしたら、『実は俺も』って言ってくれたんだ」




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