君待ち人




「て、ていうか!」


「ん?」



「桜はどうなの?」




え……、わ、私?


いきなり話が変わった。


緋衣ちゃんは平静を装いながら、またいちごメロンパンを食べ始めた。




「私は、全然進展とか何もないよ?」


「白河くんとも?」



また白河くんの名前だ。


なんで白河くんが出てくるんだろう。




「あるわけないじゃん」


「俺がなに?」




タイミングがいいのか悪いのか、どこからか白河くんがやってきた。私のお弁当から卵焼きを食べられ、「あっ!」と声が漏れる。


また私のお弁当から盗んだ。

まあ、今回は卵焼きだったから許してやろう。




「ねぇ、白河くん」


「ん?」




緋衣ちゃんが白河くんに声をかける。



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