君待ち人




「最近、進展は?」


「は、はあ!?」



口角を上げて尋ねると、白河くんは一気に顔を赤くして大きな声を出した。



教室中の視線を集めた白河くんは、さらに顔を赤くする。




「進展とか……別になんもねぇよ」



「意外とヘタレなんだねー」



「ヘタレじゃねぇし!」




緋衣ちゃんと白河くんが言い合っているけど、私には何の話かさっぱり。


白河くんの恋の話?




「なんにも動かないから、桜がいつまで経っても気づかないんだよー」



「私が何に気づいてないの?」



「……ほらね」




小首をひねれば、やれやれとため息を吐かれた。


なに?まったく話についていけない。




「し、仕方ねえだろ?何したらいいかわかんねぇし」




ブツブツ独り言を呟く。



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