君待ち人
「ちんたらしてたら、他の人に奪われるよ?」
「ほ、他の人……!?」
呆れた様子の緋衣ちゃんに、白河くんは動揺を隠せない。
私は話の内容がよくわからないので、一人黙々とお弁当を食べていた。
あー、ご飯が美味しい。
「他の人って誰だよ!?」
「さあ?誰でしょうね~」
「とぼけんなっ」
「……仲がいいんだね、二人とも」
二人が何かについて言い合っている風景に、呑気な感想を抱く。
「「違う!!」」
ほーら。仲がいいんじゃんか。
蚊帳の外にされてるみたいで、ちょっと寂しい。
「ほらね?この感じだと、あんたの気持ちにこれっぽっちも感づいてないよ」