君待ち人
「す、すみません……」
「お、俺こそ……」
なんとなく気まずい空気が漂う。
全身が熱い。
私は体操服に腕を通し、
「凪雲先輩、体操服ありがとうございます」
と、軽く頭を下げた。
今日は凪雲先輩にたくさん感謝しないといけないな。
「これ洗って明日返します!」
「いいよ、別に」
「いえ、ちゃんと洗って返します」
遠慮は受け付けません。
ちゃんと洗います。むしろ洗わせてください!
少し雨の音が弱まってきた。周りを見渡したら、さっきよりは小雨になっていた。
「凪雲先輩」
「ん?」
「きっと、晴れますよ」