君待ち人
確証のない、ただの予想。だけど、私は、はっきりと断言した。
天気も、凪雲先輩の心も。
今は大雨かもしれない。
けれどきっと、この空にはまた群青が描かれて、光を照らしてくれる。
「いつか、晴れます」
ただそれだけを呟いて、足元にできていた水たまりに視線を落とした。
その水たまりには、傘の端っことねずみ色の憂鬱な空が映っていた。
水たまり越しに見える空には、小さな部分だけだったけれど、薄い青色が垣間見えた。
もうすぐ雨が止み、晴れが訪れる合図だ。
「そうだな」
凪雲先輩は少し間をおいてから、そう頷いた。
晴れ渡る空が、好きだ。
鮮やかな青に染まる空が、好きだ。
理由なんてない。
ただ、素直になれそうな気がするだけ。
ポタリポタリ……と、だんだん雨の勢いがなくなっていった。