君待ち人





「白河くん!」





私は赤軍の応援席へ行き、白河くんの名前を呼んだ。


額から汗が流れている白河くんは、目をまん丸くさせる。




「み、三吉?」


「一緒に来て!?」




私は白河くんの手を強引に引っ張り、一緒に走り出した。


白河くんはこの状況についてこれてないみたいだったけど、一生懸命走ってくれた。




そして見事ゴール。惜しくも一位ではなかったけど、二位にはなれた。





「ご、ごめんね、急に連れ出して。びっくりしたでしょ?」


「まあな。でも……嬉しかったから」



「え?」


「い、いや!なんでもねえ」




ボソボソと独白する声が聞こえなくて聞き返したが、教えてはくれなかった。



「お、お題って、なんだったんだよ」


「大切な異性の友達だよ」



「……ふ、ふーん。そうなんだ……」




< 76 / 278 >

この作品をシェア

pagetop