君待ち人
「白河くん!」
私は赤軍の応援席へ行き、白河くんの名前を呼んだ。
額から汗が流れている白河くんは、目をまん丸くさせる。
「み、三吉?」
「一緒に来て!?」
私は白河くんの手を強引に引っ張り、一緒に走り出した。
白河くんはこの状況についてこれてないみたいだったけど、一生懸命走ってくれた。
そして見事ゴール。惜しくも一位ではなかったけど、二位にはなれた。
「ご、ごめんね、急に連れ出して。びっくりしたでしょ?」
「まあな。でも……嬉しかったから」
「え?」
「い、いや!なんでもねえ」
ボソボソと独白する声が聞こえなくて聞き返したが、教えてはくれなかった。
「お、お題って、なんだったんだよ」
「大切な異性の友達だよ」
「……ふ、ふーん。そうなんだ……」