君待ち人
今、君は何をしているんだろう。
早く会いたいよ。
放課後。
私は部活動には何も入っておらず、下校しようとしていた。
けれど、なぜか今日は頭からあの約束のことが離れない。
何か。
何かあるのではと、希望に似た予兆を期待してしまうんだ。
私の席は窓際。授業中によく、上の空で公園の方を展望していた。
そのせいで、授業には全くと言っていいほど集中できなかった。
「行ってみようかな」
私は、誰にも聞かれないように、ポツリと独白した。
あの公園に行けば、もしかしたら会えるんじゃないか。
あの公園に行けば、もしかしたらあの約束が頭から離れない理由がわかるんじゃないか。
気づいたら、私は公園のある方へと足を動かしていた。