君待ち人
凪雲先輩、会長にはいろいろ話してるらしいしなぁ。
親しい関係なのは前々から感づいていたけど、恋人だったなんて……。
私、どうしてここまで心が灰色になってるんだろう。この間の雨みたい。
私が凪雲先輩の心に踏み入れていないから、会長にヤキモチ妬いてるのかな?
待ち人を待っている仲間として、悔しいのかもしれない。
胸の奥が、じわり、と熱くなる。
なんだろう、この感覚。
「あ、次の男子騎馬戦が終わったら、昼食だね」
「うん。今日は緋衣ちゃんの分も作ってきちゃった」
「えー、ほんと!?やったぁ!楽しみっ」
私は胸の奥に残る感覚を消し去るように、緋衣ちゃんと笑い合った。
私、うまく笑えてるかな?
熱い。胸の奥も、頬も、体中が、熱い。
火傷しそうなくらい熱くて、苦しい。
「太陽、眩しいね」
「そうだねぇ。日焼け止め、あとでたっぷり塗りなおさなきゃね」
「そうだね」
照りつける太陽が元気すぎて、ひどく眩しい。片目を閉じ、腕で太陽の光をガードした。