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どこに目を向けても白い。
白くないのは窓の外くらい。

ここは病院。
朱里たちとの騒動があってから
あたし達はここに担ぎ込まれたらしい。

意識のあった朱里と、
意識のなかったあたしは
病室を分けられてしまった。

「真冬ー!」

バタバタと駆ける足音と、騒がしい声。
朱里がドアを壊すのかという勢いで
あたしの病室に転がり込んできた。

あたしの目が覚めてから大体毎日、
朱里はこんな調子で病室にやってくるのが
普通になっていた。

「ともだち!友達できた!」

頬を紅潮させて、勢いよく喋る朱里は
興奮してるみたいだ。

朱里曰く、先生達に知らせてくれたのは
物音に気づいた朱里クラスメイトだったらしく、
あの時先生を呼ぶだけで
助けに入れなかったことを謝りにきたらしい。

朱里がありがとう、助かったと言っても、
見た目には包帯を巻いてベッドに横たわる朱里に
友達になってくれと迫ったらしい。

「それ、どんな急展開」

吹き出したあたしは、笑いすぎてむせた。

「真冬はツボがおかしいよ」

一緒に笑いながら、朱里は
あたし以来2人目の友達について説明しだした。

キラキラ輝く笑顔で楽しそうに話す朱里を見て
少しだけ新しい友達に嫉妬したことは、
もっと朱里が騒がしくなるから黙っておこうと思う。



     
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