あ
4
どこに目を向けても白い。
白くないのは窓の外くらい。
ここは病院。
朱里たちとの騒動があってから
あたし達はここに担ぎ込まれたらしい。
意識のあった朱里と、
意識のなかったあたしは
病室を分けられてしまった。
「真冬ー!」
バタバタと駆ける足音と、騒がしい声。
朱里がドアを壊すのかという勢いで
あたしの病室に転がり込んできた。
あたしの目が覚めてから大体毎日、
朱里はこんな調子で病室にやってくるのが
普通になっていた。
「ともだち!友達できた!」
頬を紅潮させて、勢いよく喋る朱里は
興奮してるみたいだ。
朱里曰く、先生達に知らせてくれたのは
物音に気づいた朱里クラスメイトだったらしく、
あの時先生を呼ぶだけで
助けに入れなかったことを謝りにきたらしい。
朱里がありがとう、助かったと言っても、
見た目には包帯を巻いてベッドに横たわる朱里に
友達になってくれと迫ったらしい。
「それ、どんな急展開」
吹き出したあたしは、笑いすぎてむせた。
「真冬はツボがおかしいよ」
一緒に笑いながら、朱里は
あたし以来2人目の友達について説明しだした。
キラキラ輝く笑顔で楽しそうに話す朱里を見て
少しだけ新しい友達に嫉妬したことは、
もっと朱里が騒がしくなるから黙っておこうと思う。