僕の初恋
*
12時を回って、家に帰ろうとコンビニを出ると仙崎がいた。
止めた自転車の後ろにすわってこっちを見ている。
仙崎まだ帰ってなかったんだ。
いったい何してんだ?
「今日は例の人来ないのかよ? 」
仙崎が自転車から立ち上がりながら聞いてきた。
「なんか友達のところに泊まってくるんだって」
「へえっ。せっかく顔見てやろうと思ったのにさ」
残念そうに仙崎が言う。
こいつ、わざわざそのために待っていたのか。
「見てどうするんだよ? 」
僕はちょっとむっとした調子で聞いた。
「今日はアタシが家まで送ってやるよ。後ろ乗れよ」
僕の質問に答えずに、仙崎はそう言って自転車にまたがった。
「普通そういうのってバイクだろ」
僕は思わず突っ込んだ。
相変わらず突然押しが強いので面食らってしまう。
ふんっ。
仙崎が首を振って自転車の後ろを示す。
僕はしぶしぶまたがった。
仙崎のマンションと僕のマンションはすぐ近くだった。
「坂本はその女の人のことが好きなのか? 」
仙崎が自転車をこぎながら聞いてきた。
「そんなことは無いけど・・」
僕は一瞬どきっとしたが、そんな曖昧な返事をした。
「ならあんま関わんないほうがいいんじゃないの? 」
「えっ? なんで? 」
「・・なんかそんな予感がすんだよ」
仙崎の声が心なし小さくなる。
「はぁ? 」
僕はまたもや唐突でわけが分からなかった。
「アタシ、昔から勘とか良くってさ。坂本、アンタ最近よくない感じだよ」
仙崎の口調は真剣だった。
それが少し僕を不安にさせる。
「よくない感じって・・? 」
「空気っていうか、なんていうか。なんか以前と違ってよくない感じなんだよ。前の坂本はもっと元気できれいな感じだったけど、最近の坂本はにごっている感じで・・。ああ、うまく言えないっ」
12時を回って、家に帰ろうとコンビニを出ると仙崎がいた。
止めた自転車の後ろにすわってこっちを見ている。
仙崎まだ帰ってなかったんだ。
いったい何してんだ?
「今日は例の人来ないのかよ? 」
仙崎が自転車から立ち上がりながら聞いてきた。
「なんか友達のところに泊まってくるんだって」
「へえっ。せっかく顔見てやろうと思ったのにさ」
残念そうに仙崎が言う。
こいつ、わざわざそのために待っていたのか。
「見てどうするんだよ? 」
僕はちょっとむっとした調子で聞いた。
「今日はアタシが家まで送ってやるよ。後ろ乗れよ」
僕の質問に答えずに、仙崎はそう言って自転車にまたがった。
「普通そういうのってバイクだろ」
僕は思わず突っ込んだ。
相変わらず突然押しが強いので面食らってしまう。
ふんっ。
仙崎が首を振って自転車の後ろを示す。
僕はしぶしぶまたがった。
仙崎のマンションと僕のマンションはすぐ近くだった。
「坂本はその女の人のことが好きなのか? 」
仙崎が自転車をこぎながら聞いてきた。
「そんなことは無いけど・・」
僕は一瞬どきっとしたが、そんな曖昧な返事をした。
「ならあんま関わんないほうがいいんじゃないの? 」
「えっ? なんで? 」
「・・なんかそんな予感がすんだよ」
仙崎の声が心なし小さくなる。
「はぁ? 」
僕はまたもや唐突でわけが分からなかった。
「アタシ、昔から勘とか良くってさ。坂本、アンタ最近よくない感じだよ」
仙崎の口調は真剣だった。
それが少し僕を不安にさせる。
「よくない感じって・・? 」
「空気っていうか、なんていうか。なんか以前と違ってよくない感じなんだよ。前の坂本はもっと元気できれいな感じだったけど、最近の坂本はにごっている感じで・・。ああ、うまく言えないっ」