僕の初恋
こいつも望楽土(ほうらくど)に関係があるのか?

「そんなの簡単だよ。ワイヤー切り口みたら誰でも分かんじゃん」

仙崎はめんどくさそうに答える。

まったく、なんだその話し方は。

「でも普通の女の子はそんなこと知らないだろ」

「そんなこと、どうでもいいよ。それよりさ、刑事さんって正義の味方なの? 」

仙崎は品定めするようにこっちを見てくる。

まっすぐな目だ。

俺は一瞬、答えに詰まった。

俺は正義なのか?

俺のやっていることは正しいのか?

「ああ、刑事だからな。正義の味方だ」

俺は、なんとかそう答えた。

こんなところで罪悪感を感じても仕方が無い。

「なんか、怪しいなあ。今、言葉かみそうになってたよ」

大人よりも子供の方がよっぽど鋭いな。

「で、なんでそんなことを聞くんだ? 」

「いや・・」

仙崎は口ごもる。

「なんだ言ってみろ」

俺はうながした。

「坂本のやつ・・、狙われてんだ」

「狙われている? 坂本君が誰になんで狙われるんだ? 」

こいつ?もしかして何か知ってるのか?

「坂本の友達に森本紀代乃ってのがいて、その森本の親父が坂本を殺そうとしてんだよ」

「なに? 」

ここで森本紀代乃が出てくるとはな・・。

これなら捜査できるかもしれない。

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