僕の初恋
「だぁ、なんでキヨノはこんなのが好きなんだ・・」

「えっ、それって」

キヨノさんの口から初めて直接好きって言われた・・。

僕は嬉しかった。

ポコッ。

また頭をはたかれる。

「さかってんじゃねぇよ。いいか、俺は拓だ。この体はキヨノだが、今キヨノの中にいるのは俺なんだ」

相変わらず全く理解できない。

「キヨノさん、どうしちゃったの?」

「ふぅ・・」

キヨノさんがため息をつく。

「まあいい。俺が誰かってことはそんなに重要じゃねぇ。それよりも、ここから逃げるってことのほうが重要だ」

「えっ逃げるの?」

「そうだよ。あの守屋ってやつはどうも信用できねぇ」

キヨノさんが、こんな風に話すのはどうも違和感がある。

本当に拓なんだろうか?

「でも逃げても行くところなんて? 」

キヨノさんちは、もちろん駄目だ。

僕の家も前に荒らされてたことから考えて、すでに知られている。

「ばぁか、攻めるんだよ。攻撃は最大の防御って言うだろ」

これは確かにキヨノさんじゃないのかもしれない。
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