最後まで……





あの後、私はともちゃんとともちゃんのお母さんに車で送ってもらった。


車のなかでともちゃんのお母さんが

『またいつでも来てね』

そう言って微笑んでくれた。


家に帰ってもお母さんもお父さんもいなかった。


いつもの事だし仕方ない。


私は机にあったご飯を食べずにお風呂に入った。


いつものようにゆっくりと入っているとお兄ちゃんが帰ってきたみたいだ。



「かなただいま~」


「お兄ちゃんおかえり」


「風呂入りすぎてのぼせんなよ~」



そう言って通りすぎていった。


私がお風呂から出るとお兄ちゃんはリビングでテレビを見てた。



「かな上がった?じゃあ、一緒に飯にしよっか」


「ごめん……。お兄ちゃん私のおかずも食べてくれない?」



私が俯いてそう言うとお兄ちゃんが近寄ってきた。



「かな。また食べない気?ちゃんと食べないとダメだろ?」


「お兄ちゃんごめん」



私がそう言うとお兄ちゃんは少し困ったような顔をした。





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