最後まで……
どこからか声が聞こえる。
「……かな」
私を呼んでるの?
私は周りを見回してみる。
そこには小さい頃の私と小さい頃のお兄ちゃんがいた。
「かな、聞いたらダメ!僕が耳を塞いであげるからかなは自分の目を隠して!」
「……うん」
そう言えばこういうこともあったなぁ。
小さい頃の私はお母さんとお父さんの喧嘩の材料だった。
私を産んだお母さんは私が産まれてすぐに亡くなったらしい。
結婚をせずに私を産んだ為、お父さんもいない。
そんなときに引き取ってくれたのがお母さんの妹夫婦の今の親だった。