彼女のみる世界



女性が静かにまりえに歩み寄ってくる。

怖い。

まりえが叫ぼうとすると、ぐっと両方の頬をつかまれた。

「……もう一回。あなたのもとに現れるから、その時までに結論を出しておくのね」

そう言うと女性は、ポケットから万華鏡を取り出した。

中をのぞき、フッと笑う。

「世界は狂ってる。人の不幸がそうさせてるのね」

独り言でそう言うと、女性は歩き去ってしまう。


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