彼女のみる世界
焦り出す男子たち。
「お、おい、行こうぜ!」
男子たちが去っていくと、まりえは直樹のもとへ駆け出した。
「直ちゃんっ!直ちゃんっ!」
直樹の顔は血だらけで、誰か分からないほどだった。
直樹がゆっくり目を開ける。
「……ま……り……え」
「直ちゃんっ!ごめんっ!私、なんにもできなくてっ……!!」
涙がボロボロと頬を伝う。
「な……くな……よ。お前は……なにも……し……なく……て……いい……から。」
直樹がまりえの頬を撫でた。