こと×ゆいDays~純情少女と幽麗系男子~
 
「松風ことり」


「ふぁいっ! え? わたしの名前……」


「知ってる。あれだけ校内を賑わせて、覚えられないと思うほうが不思議」



 ということは、今までの逃走劇、全部見られてたってことだよね?


 うわぁ、恥ずかしい……!



「こんなとこで油売ってていいの」


「はっ! そうだ、早く帰らないと見つかっちゃう! お騒がせしました、すみませんっ!」


「……謝る必要もない」



 けど、と外された視線。


 興味なさげにページをめくる白い指が、絵画のようにキレイで――



「オレ、蒼井だから」



 ――たった一言が、爆弾を落とす。



 髪が白いからシライくん。


 バカかわたしはっ!
 
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