こと×ゆいDays~純情少女と幽麗系男子~
*唯都くんは眠いようです
ご近所の佐々木書店さんってねぇ、お人形みたいに美人な、看板息子がいるの!
なんてウワサになるの、よくわかる気がします。
「ことり、お疲れ」
「ありがとうございます、唯都くん!」
「ん……」
クールビューティーだとか、高嶺の花ってウワサの彼。
何を思ったか、ヨシヨシと、華奢な指先でわたしのクセッ毛を撫でたり。
突拍子もないのには、すっかり慣れちゃいました。
「本の整理、もう終わったんですね。さすが唯都くんです!」
お店も空いてきたところ。
お茶でも淹れましょうか、とイスから立ち上がってみました。
でもでも、行く先を当の唯都くんがふさいでいるので、わたしはカウンターから出られません。