こと×ゆいDays~純情少女と幽麗系男子~
 
「ササじぃ」


「えっと……?」


「きみがさっき傘貸したの、ウチのご近所。佐々木書店のじぃちゃん」


「あっ、そうだったんですか!」



 朝のお散歩をされていたところを、いきなり雨に降られたそうで。


 お風邪を召されては大変です! と傘をお貸ししたのが、今朝の話。


 そのあとすぐ、いつも持ってる折りたたみ傘がないことに気づいて、今に至るわけですが……。



「ササじぃ、ありがとうだってさ」


「わぁ、お役に立てたなら嬉しいです! あれ? でもなんでわたしだって……?」


「目がくりくりっとしてて、ふわふわ栗毛の女の子」


「ふぇ?」


「小学生くらいの背なのに、オレと同じ学校の生徒って言われたら、きみしかいないでしょ」


「い、いないんですか……」
 
< 25 / 49 >

この作品をシェア

pagetop