こと×ゆいDays~純情少女と幽麗系男子~
「ササじぃ」
「えっと……?」
「きみがさっき傘貸したの、ウチのご近所。佐々木書店のじぃちゃん」
「あっ、そうだったんですか!」
朝のお散歩をされていたところを、いきなり雨に降られたそうで。
お風邪を召されては大変です! と傘をお貸ししたのが、今朝の話。
そのあとすぐ、いつも持ってる折りたたみ傘がないことに気づいて、今に至るわけですが……。
「ササじぃ、ありがとうだってさ」
「わぁ、お役に立てたなら嬉しいです! あれ? でもなんでわたしだって……?」
「目がくりくりっとしてて、ふわふわ栗毛の女の子」
「ふぇ?」
「小学生くらいの背なのに、オレと同じ学校の生徒って言われたら、きみしかいないでしょ」
「い、いないんですか……」