こと×ゆいDays~純情少女と幽麗系男子~
2組の蒼井くんと7組のわたしでは、東と南で昇降口が違います。
蒼井くんがわざわざ南口まで来てくれたので、濡れたローファ片手に走る必要がなくなったんですよ。
「やっぱり、蒼井くんは優しいです!」
「…………廊下の床濡らして、後片付けするほうが時間のムダでしょ」
フイッと逸らされた顔が、青い傘で遮られたので、言い逃しちゃう前にペコリ。
「ありがとうございましたっ!」
蒼井くんの背中から返事はなかったけど、
肌寒い雨降りの日にポカポカあったまった心は、気のせいじゃないです!