こと×ゆいDays~純情少女と幽麗系男子~
 
「唯都くん? どうかしましたか?」


「すっごい、疲れた」


「わぁ大変! 貧血とかありません!?」


「ない、けど」


「熱も……ないみたいですけど」


「…………こと」



 低く、短く区切られた名前。


 ぎょっとおでこから手を離せば、形のいい唇が、ムスッと八の字に曲げられてて――



「……トボけてもダメ」



 右腕を、捕まえられちゃいました。



「おやぁ。ゆいちゃん、お昼寝の時間みたいだねぇ」


「わっ、ササおじいちゃん!」


「ことりちゃん、奥でゆいちゃんと休んでおいで。お昼はおじいちゃんがやるからねぇ」



 まさかのまさか。


 店主さんのお許しが下りまして、店番ふたり、ブレイクタイム、ですって……!
 
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