こと×ゆいDays~純情少女と幽麗系男子~
*迫られました!?
保健室に運ばれてから少し。
「体力ないクセに全力疾走するからよ、おバカさん」
「わぁあ、先生……!」
ビシィッ!
デコピンをされても、ベッドに寝かされた蒼井くんが起きる気配はありません。
「……驚いたわ。本気で死んだように寝てるわね」
「蒼井くん大丈夫なんですか? どこか病気とかじゃないですよね……?」
「むしろ、一安心じゃないかしら」
錯乱しきったわたしの説明を聞いて、蒼井くんを処置してくださった保健の黒木先生。
ツヤツヤな黒のセミロングを耳にかけながら、イスに座るわたしへ微笑む。