こと×ゆいDays~純情少女と幽麗系男子~
 
「助かりました……蒼井くん」


「いいえ」



 ふわり。


 そよ風が吹いたような微笑み。


 蒼井くんのささやかな表情変化に、うーむ……まだ慣れません。



「えっと、今日は空き教室じゃないんですね」


「あぁ。何となく、飲みたくなったから」



 そう言う蒼井くんの手元には、紙パックと〝ココナッツミルク〟の文字。



「ココナッツミルク好きなんですか!」


「さぁ……睡眠効果があるから、義務的に飲んでた部分があるし」



 ……そうでした。


 蒼井くんの食事情は、睡眠不足に振り回されていたんでした。
 
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