こと×ゆいDays~純情少女と幽麗系男子~
 
「……松風」


「はいっ! あれ、もう5分経ちました?」


「いや、ふと気になって」



 いつの間にか目を覚ましていた蒼井くんが、わたしを覗き込んできます。



「松風は、どうして部活に入りたくないの?」


「家に帰って、やりたいことがあって」


「やりたいこと?」


「わたし、6人兄弟の長女なんです。下の兄弟がまだちっちゃくて、お母さんだと手が足りないので……」


「きみが面倒を見てるってわけか」


「……です」



 へぇ……とあごに手を当てた蒼井くんは、何か考え事をしているよう。
 
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