イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「刹那さん……寒い」

身体を縮まらせながら呟くと、刹那さんがベッドに入ってきて後ろから抱き締められた。

「これで寒くないだろ?」

優しい口調で刹那さんにそう言われ、私はホッとしたように小さく頷く。

「もう怖くない。大丈夫だ。ベッドでは溺れないからな」

刹那さんはクスッと笑うと私の手に指を絡める。

伝わる優しい温もり。

「……温かい」

布越しでも伝わる体温。

人ってこんなに温かいんだ。

電気毛布よりもこっちの方が好きかもしれない。

「もっとギュッとして」

欲張りになる私。

誰に抱き締められてるか自覚のないまま、おねだりする。

「明日の朝、発狂するなよ」

刹那さんは面白そうに言うと、私の身体をギュッと抱き締めた。
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