イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
頭の中はパニックだ。

「あ~、ぎゃー‼見られた~!見られた~!」

頭をかきむしり、大声で叫びながら近くにあった枕をドンドンと叩く。

「……煩い。耳元で叫ぶな。鼓膜が破れる」

私の声で目を覚ました刹那さんは、顔をしかめる。今日も不機嫌大魔王。それでもイケメンなんだから憎らしい。

「だって、刹那さん見ましたよね?」

私は涙目で刹那さんを見る。

お願い!見てないと言って!

「……何を?目的語がない」

「……それは」

刹那さんは私をギロッと睨むと冷静に切り返す。それにちょっと怯む私。

「だから……その……あの……私の……はだか」

顔を真っ赤にしながらしどろもどろで言った言葉だったが、刹那さんは何を言っているのかわかったのかニヤリとした。

「どうした?失語症か?」

この顔は……やっぱりそうなの?見たの?

この人、絶対に性格悪いよ!人の不幸を楽しんでるよ。
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