イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
そんな事を考えながら控え室に荷物を置いて、カウンターに行き新しく入荷した本のディスクリプションをパソコンに入力して作成していく。

ディスクリプションというのは簡単に言うと、本の著者名、タイトル、刊行年、コンディション、装丁を記したものだ。

特殊な本や百万を超える高価な本はまだ久世さんがやるけど、簡単なものは私にもさせてくれるようになった。

何冊か入力を終えると、手が空いたのか久世さんがこちらにやって来る。

「やあ、桜子ちゃん。今日はショールしてるんだね?ピンクでとても似合ってる」

目を細めながら久世さんが優しく微笑む。

ははは……やっぱりそこに目が行きます?

「……ありがとうございます」

ちょっと身構えながら、とりあえず褒めてくれたお礼を言う。

平静を装わなければ……久世さんにまでバレてしまう。

刹那さん……この展開がわかっててあんな事言ったんだろうか?

今日マンションに帰ったらとっちめなくては……。
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