イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
若い男の人って誰だろう?

全然思いつかない。

「いいえ」

私は頭を振る。

刹那さんはそんな事ひと言も言ってなかった。

「おかしいね。僕は一日でこの情報を掴んだのに」

「……そうですね」

結婚式からもう三日経ってるし、刹那さんは久世さんよりももっと情報を掴んでてもいいはずだ。

知ってて私に隠してるのだろうか?

「また何か情報を掴んだら必ず桜子ちゃんに知らせるからね。刹那が何か悪いことを企んでるようだったら僕に相談して。いいね」

「はい。ありがとうございます」

久世さんは私の返事に安心したのか、フッと微笑しながらショールを巻き直してくれた。

それから、バイトが終わるまでずっとお姉ちゃんの事を考えていた。

何でニューヨークに行くかな?
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