イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
どうせお姉ちゃんの事だ。ショッピングを楽しんでいるのだろう。

ブランドのバッグや宝石を買い漁り、一緒にいるとかいう若い男性に荷物持ちをさせているに違いない。

若い男性っていうのもきっとホストか何かだろう。

私が……こんなに刹那さんに苛められてるのに……。

お姉ちゃん、日本に戻る気はあるのだろうか?

八時にバイトを終えて店を出ると、店の前にちょうど刹那さんの車が横付けされた。

さすが右京さん、時間ピッタリ。

ドアを開けて後部座席に乗り込むと、右京さんが笑顔で私の方を向いた。

「桜子ちゃん、お疲れ。今日も久世さんには何もされなかった?」

あったような、なかったような……。

でも……。

「刹那さんに比べたら無害ですよ」

ムスッとしながら答えると、右京さんはクスッと声を出して笑った。
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