イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
家に帰ってベッドに横になりたいけど、……今日は私……どこに寝るんだろう?

まさかと思うけど……鷹司さんと同じ部屋って事はないよね?

そこまで鬼畜じゃないよね?

私が青ざめていると、鷹司さんに突っ込まれた。

「何をそんな青い顔をしてる。普通の女なら指輪を買ったら泣いて喜ぶぞ」

「囚人みたいな状況で喜べるわけないじゃないですか?指輪だって私にとっては足枷みたいなもんです」

「……足枷ね」

鷹司さんが私を見て面白そうに笑う。

その時、店員さんが箱に指輪を乗せて戻ってきた。

あっ、さっきのシンプルな指輪。

鷹司さんが指輪を手に取って私に見せる。

「刻まれた文字を見てみろ」

私は指輪を手に取り、まじまじと見つめると、そこに刻まれた文字を見てぎょっとした。

NON REFUNDABLE.
< 33 / 288 >

この作品をシェア

pagetop