イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
私がびっくりして口をパクパクさせていると、刹那さんが意地悪な笑みを浮かべる。

「魔除けだ」

……キスした本人が悪魔の場合、どうやって身を守ればいいんでしょうか?

「じゃあ、次行くぞ」

刹那さんに手を捕まれ、あれよあれよという間にまた車に乗せられる。

「次ってもう家に帰るんじゃないんですか?」

早く帰ってゴロゴロしたいのに……。

「そんなに早く俺と二人きりになりたいのか、桜子?」

「だ、誰が‼早く休みたいだけです!勘違いしないで下さい」

「新婚さんだもんね」

運転席の榊さんがクスクス声を出して笑う。

だから、違うってば!

榊さんて刹那さんよりは若いけど、私と同い年かな?

「右京、笑いすぎだぞ。次は病院だ」

刹那さんが冷たい口調で注意する。

「ははは。悪い」

榊さんて……右京って名前なんだ。

肌が白い刹那さんとは対照的に、彼はサーファーみたいに日焼けしてて髪は金髪に近い茶髪。

ファーストネームで注意するって事は……。
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