イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「……家の中ではくつろげって事なのかな?これって……飴と鞭作戦?」

きっとそうだよ。

厳しい事ばかりだと私が逃げ出すから、食べ物とバスボムで懐柔しようとしてるんじゃない?

今度から陰で刹那さんの事、ビスマルクって呼ぼうかな。久世さんに言ったらきっと納得してくれるに違いない。

お風呂を沸かして早速バスボムを試してみると、シュワシュワとピンクの泡が出てきて、最後には綺麗な赤い薔薇の花が浮かんできた。薔薇のいい香りがする。

「すごーい‼わ~、綺麗~。これ、新婚さんなら絶対喜ぶよ」

一人で歓声を上げるが、次の瞬間、一気に気分が下降する。

あっ……。

私は決して新婚さんじゃない!

自分で自分の地雷を踏んでしまった。

やっぱり刹那さんの嫌がらせ?

でも、バスボムに罪はない。一個千円だし、堪能してやるんだから!

結局、一時間も長風呂をし、優雅なバスタイムを楽しんだ。
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