赤黒いバラ
一時間近く経ったのだろうか。

眠っていた。

ゼリーが食べたいと最後に思ったからだろうな。

桃のゼリーを食べようとする夢見た。

そう思っていると、ドアが開く音がした。

保健の先生かな。

そう思っていたら、小鳥遊先生だった。

「大丈夫か?8度3分なんてインフル並みじゃないか。」

普通の人の話でしょ。

「先生…ゼリー食べたい…。」

夢にまで見るくらい今食べたい。

そう言うと、

「熱のときほどのゼリーって美味しいよな。と言うか、熱でても食かよ!!」

それは、わかる気がする。

「仲上先生も心配してたぞ。顔色ヤバかったです。って報告しに来たし。」

ヤバかったです。って…仲上先生ヤバイとか使うんだ…。

「なんか、上の空って感じだな。そりゃそうか。頭働かないわな。」

いや。ちゃんと答えてますよ。心のなかで。

そう思っていると、小鳥遊先生が私のおでこに手をやった。

「本当に熱いな。熱冷まシートいるか?」
< 134 / 242 >

この作品をシェア

pagetop