赤黒いバラ
「は?本気?桜。それ幻覚だよ?桜は幻覚見てるんだよ?教師と生徒の恋なんて幻覚でしかないし、そもそもそれこそ人の目があるよ。」

斗真の言ってることは確かだ。

「桜はさ、免疫ないからその人が気になるなんて言ってるんだよ。だからさ、俺と!」

私は斗真が言うことを遮って堰を切ったように大声で話し出した。

「分かってる…分かってるって!そんなこと言われなくても分かってるって!!あんた自分のことしか考えてないじゃん!あたしの気持ちなんて一切無視!実際自分だって幻覚見てるんじゃないの!?あたしじゃないとダメだとか言ってるけど、回り見てるの!?結局同じじゃん。人のこと言えないじゃん!!」

斗真は私がそんな大声で喋る私を黙ってみていた。

すると私は涙も流れてきた。

「分かってるよ…。諦めなきゃとか思ってるし。先生はどうせ生徒としてしか見てないの分かってるよ…。分かってるけど、どうしようもできないんだよ…。」

私は段々小さな声になっていった。

これが私が普段から思ってる本音なんだなと。

この時気づいた。
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