赤黒いバラ
卒業式が終わり、講堂から教室に向かう途中

「再来年…あたしたちも卒業式あんな風になってるのね。」

「でもね、美結。私たち大きく違うことがひとつあるの知ってる?」

美結は首をかしげてえなをみる。

私もわからない。

「えなちゃん…傷になるよ…。」

彩月は分かっているようだ。

「あの先輩方は進路が決まってる。あたしたちは…進路決まってないからね。と言うか、前々日に試験だからね…。」

うわぁ…そうだ。

国立大の試験日は大体その辺りだ…。

と言うことは、私たちのクラスは卒業式じゃなくて葬式になりそうだ。

夢も希望もない話だわ…
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