赤黒いバラ
「あのさ。俺がやめる理由、自分のせいだと思ってない?」

聞こうと思ったとき。逆に聞かれた。

「えっ…あの…だって…。」

言葉が途切れる。図星だったから。

「細かいことは省くけど、桜が告白する前から決めてたことなんだ。決して君のせいではない。」

本当なのかは分からない。

だからと言っても、疑ってもしょうがない。

今は信じるしかない。

「ついでに、告白の答えは分かってるかもしれないが、ノーだよ。嫌いとか好きとかそんな感情じゃなくてね。」

分かっていたけど、言われるのはキツい…

「そうですよね。分かってます。」

泣きそうになったが大丈夫だった。

家で泣けば良い。今はダメ。
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